隠してたものは、あたしへの気持ちでしょう?
「今度は何を隠してるの?」
「今度っておかしくね?」
おかしくないわよ。だって体育祭の時も、ずーっとポケットに手を突っ込んでたじゃない。
ガラスの靴のストラップを、隠していたからでしょう?
二コリと笑って手を差し出すと、忍は諦めたようにポケットから手を出した。だけど手渡してはくれず、忍の手はあたしの髪に触れた。
「……」
サイドの髪が何かに挟まれる感覚。あたしはこれが、何なのか知ってる。
付け終わったのか、忍はそれから視線を落として、あたしを見つめた。
「うお!」
ズイッと忍に近づいて、忍の瞳に映る自分を凝視する。
「鏡見れば良くね?」
ずっと寂しかった黒く短い髪に、白いリボンのバレッタが付いていた。
ぎゅうっと、胸が締め付けられる。胸の中心が、焦げてしまいそなくらい熱い。その熱はそのまま、目頭に集まってしまった。
「泣くほど嬉しいか」
「う、嬉しいに、決まってるじゃない!」
ちょっと困って、眉を下げながら、遠慮がちに照れる忍が好きで好きで堪らない。
「忍ぅぅううう!!」
「あっぶねぇって、ぎゃあ!」
――ドスンッ!ゴッ!と、例の如く痛そうな音がして、それでも構わず忍に抱き付いた。



