「け、携帯……っ」
息切れしながら携帯を取りだすと、時刻は午後7時。
さすがにもう会議は終わってるだろうと思って、忍に電話を掛ける。が、何回かけても繋がらない。
何で着拒!? 彼女の電話番号を着拒ってどういうことよ!!
「なんっで……」
歩道橋を駆け上って乱れる息を整えながら携帯画面を見つめる。
ふと、あたしがどうやって忍の番号を手に入れたか思い出した。
そ、湊磨くんの携帯から盗んだんだった……。
そして忍の携帯にはあたしの番号がないはず。忍、どんだけセキュリティ高いの。
登録外拒否にしてるわね!?
「……絶対そう。忍ならありえそう……」
目的がうっかりすり変わっちゃうとこだったわよ。忍に会うから、忍の携帯にあたしの番号登録になるところだったわよ。
何がなんでも、苺(ハートマーク鬼連打)で登録してやるんだから。ていうかどっちも成し遂げてやるわよ!
「よしっ」
もう辺りは暗くなってきてる。すれ違う前に学校に行かなくちゃ。
携帯をブレザーのポケットにしまって、妄想しながら歩道橋を駆け下りる。
これで会ったら、もう運命。そしたら、ハグしてもらって……キスしてもらうのよ!
「っきゃーー!!」
――ドンッ!
「「いっ……!」」
たぁー!



