「……あなたは、その場にいたの?」
背の高い瑠雨先輩を見上げると、頷いていた。
「……ふたりは……のんは、元気だった?」
ふたりとも、やっと学校に来たと思ったら昼休みが終わっても放課後になっても、教室に戻って来なかった。
「バカじゃないの?」
ガッ!と、突然頭を掴まれたと思ったら、綺麗な顔があたしの目の前にある。
「……は?」
突然のことに驚く。いきなり何なのこの人!
「そういう遠慮が、余計傷つくんだっつーの」
「なっ……!」
言い返そうとしたら、ペシッと軽く頭を叩かれる。見上げると、頭を掻く瑠雨先輩。
「離れないって言われたんじゃないの?」
呆れたようにあたしを見下ろす瑠雨先輩に、口を噤む。
言われたけど、嬉しかったけど……向こうが話し掛けてこないんじゃない!
「女なら、堂々としてろっつーの」
いや、あなたは堂々としすぎだと思う……。
……ああ、そっか。あたしが、話しかけなかったのね。
2日ぶりに登校してきたのんと燈磨に、あたしは話しかけなかった。何て声をかければいいのか、分からなくて。
「……するわよ。堂々と」
ムスッとして言うと、瑠雨先輩は悪戯に笑った。



