「「あ」」
放課後、制服で学校に来いと生活指導の先生にまで軽く怒られて職員室を出ると、白いブレザーを着た美人と目が合った。
お互い、声がハモってしまったけれど。
「瑠雨、先輩よね、確か」
いや、忘れはしないけど、久しぶりに見た気がする。
「うん、そう。苺だよね? 忍の彼女の」
彼女と言われてきゅんとするけど、ちょっと切ない。
「そういえば昨日一昨日と、来てたよ」
いきなりの会話に首を傾げると、瑠雨先輩は思いだすように額に手を当てた。
「あ~何だっけな。ほら、透の弟と、湊磨の弟」
「……のんと燈磨? 来たって、どこに?」
学校に来なかった2日間、どこに行ってたか知ってるの?
「ああ、そうそう。苺も来たことあるんでしょ? -mia-だよ、駅裏にあるパスタ屋」
隼人先輩と、ちぃ君がいる? 何で? ……のんも燈磨も、多分今まで行ったことないんじゃなかった?
透ちゃんに場所を聞いたとしても、何で学校休んでまで-mia-に行く必要があるのよ。
疑問が絶えないあたしに気付いたのか、瑠雨先輩はグレーの瞳を細めた。おかしそうに、口元を上げて。
「大人に、慰めてもらいに来たんだよ」
「……」
「まあ、ヘタレと俺様とオッサンしかいないけど、少しは立ち直ったと思うよ」
ああ……アドバイス好きな、あの人たちを訪ねたのね。



