「……透ちゃんなんて嫌い」

「はひぃ! 苺ちゃんが冷たいぃぃい!!」

「俺はスキだよトールッ!」


昴先輩の言葉にきゅんとしてる透ちゃんなんて、そのまま心臓破裂すればいい。


「あたしの前でイチャイチャしないでよ!」

「ふふっ、相変わらずねぇ苺。せっかく忍から告白させたっていうのに」


そう妖艶に笑う奈々先輩に、翔太先輩と透ちゃんがブルッと身震いをする。


「あはは! ……まあ、奈々らしいよね」

「あらキョウ、貴方だって楽しんでたじゃない」

「まさか。クジの箱に仕掛けはしてると思ったけど、まさか透まで使うなんて……くくっ」

「じれったいったらないのよ、忍は」


そう奈々先輩が言うと、テーブルにふたつの影が落ちた。


「「やっぱりか」」


振り向くと、困った顔をしたのんと、呆れた顔をした燈磨が立っていた。


「あら、おふたりさんお揃いで。2日ぶりにご登校かしら」


クスクス笑う奈々先輩に眉を寄せるふたりは、体育祭が終わってから学校に来なかった。


燈磨が言うには、「苺には分からない男の事情」と言われていたけど意味が分からない。


「ほんっと、奈々には敵わないよ」

「どういう罠!?」


開いてる席に座ったのんと燈磨は、食いつくように奈々先輩を問いただす。