「……っ迎えに来ました、王子様」

「待ち焦がれましたシンデレラ」

「棒読み王子様ですね」

「ふ……約束、守れよ」

「……へ?」


あれ? 忍ってもう、1番になったの?

最後のクジ、何て書いてあっ……。



「シンデレラになれ」


きょろきょろと周りを見渡していた顔を、忍に向ける。いつものように、淡々と言った忍に驚いてしまった。



「……誰の?」

「俺のじゃね?」


……シンデレラ。あたしはやっと、シンデレラになれるみたいです。


「忍ーーー!!」


――ゴッ!


「好き! 大好き!!」

「……抱き付くのはいいけど、殺さない程度にしてくんね?」

「殺しちゃうほど好きよ!」

「いやそれ話変わってくるけど」




シンデレラ、シンデレラ。

貴女のようにロマンチックではないけれど、祝福してくれる?



小森 苺 15歳。


小さい頃から夢だったシンデレラに、やっとなれました。


色んな人の想いが交差して叶ったこの夢を、大切にします。


これからの日々で待っているのは、きっと王子様との素敵な出来事の連続。


そうでしょう? 忍。


そうに決まってるわ!