「選手は位置についてくださーい!」
委員の人に呼ばれて、あたしは白線の前に並ぶ。
トラックの外側に集まる人混みの中で、のんと燈磨が手を振っていた。
「頑張って苺っ!」
「怪我すんなよー」
頷くだけにして、今度はトラックの中を見た。すぐに見つけられる、忍の姿。
その隣には大聖先輩もいて、少し遠くを見れば、奈々先輩と昴先輩たちがいた。
みんな知ってる、あたしの想い。
「あ! 苺ちゃん頑張ってねぇぇぇえ……!」
あたしが今から走るコースを突っ切って、小さくなる声とともに手を振りながら去っていく忙しそうな透ちゃん。
「…………」
勝負を知らないのん以外呆れてる。
誰のせいでこんなことに……ああ、キョウ先輩だけはめっちゃ笑ってたわ。
笑い上戸って、場面によっては失礼ね。じゃなくて! 集中よ苺!
「まずは平均台、跳び箱、ピンポン玉ダッシュ、網潜り、その他まぁ色々ありますけど、頑張ってくださいねー」
適当すぎる説明をして、委員の人はピストルを掲げる。横一列に並ぶ4人の女子が、今の敵。
「位置についてー……よーい」
――パンッ!
絶対勝つ!!



