『バカって何さ! だいたい忍が変な案出すからこうなったんじゃん!』
『盛り上がれば何でもいいんだよアホが』
『っきー! 見なさいよあの昴の怯えきった顔! 鷹に狙われた子ウサギのようっ……萌え……』
『バカはシカトで会長の挨拶すんぞ』
……忍が考えた案? 透ちゃんと、デートするため?
『1日デート権はマジだけど、勘違いすんなよ?』
相変わらず偉そうに、踏ん反り返って宣誓台に立つ忍に、あたしを含めた生徒全員が釘付けになる。
『反則した奴、ズルした奴、発覚した瞬間その首狩ってやるから肝に命じとけ』
「「反則の基準は何ですかー!?」」
『俺』
「「首狩るってどういうことですかー!?」」
『はん? 説教3時間のち反省文100枚のち停学だアホが』
「「「横暴すぎる!!!」」」
『正々堂々、勝負すれば良くね?』
悪戯に笑う忍に、全校生徒がその通りだと思ったはず。
……好きだなぁ。そういうとこ、凄く好き。
キラキラキラキラ。忍が、誰よりも輝いて見えるのよ。
『とりあえず、盛り上がれ。盛り上がったら、秋の文化祭でクソ忙しい時にあるマラソン大会なくしてやる』
……それは自分が嫌なだけなんじゃないの?
『あと怪我だけはすんなよ』
マラソン大会をなくすと言った忍に、生徒達は盛り上がる。それに呼応するように、忍がピストルを持つ右手を上げた。
『体育祭、楽しむべきじゃね?』
パンッ!と快晴の空に響く始まりの合図。勝負の体育祭が、始まった。



