逆転暴走シンデレラ




「俺と透の幼なじみで、燈磨の家の前に住んでるんですよ」

「あーそっか。話聞くだけで苺ちゃん大聖の顔とか知らないもんね」


のんと透ちゃんの説明に「ふーん」と相づちを打つ……名前は何?


「小森 苺って言うんすよ」


燈磨が勝手に名前を教えて、あたしは期待から“彼”に似ている先輩を見上げる。


何も言わない先輩を、口の中でカラコロと飴を動かしながら見つめたままでいると、手が伸びてきた。


「小森 苺?」


先輩の指先が飴の棒に触れて、思わずドキリとした。


な、何!?


グッと口を噤むと先輩は完全に棒を掴んで、笑った。



――ガチッ!


「いっ……!」


突然のことに目を見開くと、先輩は笑ったままあたしを見下ろしていた。


その手にはさっきまであたしがくわえていたはずの、飴。


バッと無意識に口を抑えると、先輩は真面目な顔して「校内で食べ歩きは禁止」なんて先生みたいなことを言う。


「な、なに……」


いきなり何するのよ! 飴、歯に当たったじゃない! ていうか、何でそんなに重圧感があるのよ!