「可愛い弟に会ったんだから仕方ないじゃん! てか席くらい自分でとりなよ!」
「いい加減そのブラコン直した方がいいんじゃね?」
「許してあげて。今日はみんなの昼食、透が奢ってくれたのよ」
「何だよ奈々そう言うことは早く言えよ。悪かったな」
「絶対思ってなぃいいい!!!」
突然現れたその人から、目が逸らせなかった。明るい茶髪が“彼”とよく似ていたから。
「あ? 何だ、透の弟って湊磨の弟と友達なわけ?」
……え?
「そっすよー? てか兄ちゃんは?」
燈磨の問いに「その内来るんじゃね?」と返したこの人、燈磨のお兄さんと友達?
ということは、よく名前を聞いた……。
「たいせー、先輩……?」
そう呟いたあたしはこの時初めて、“彼”に似てる人と目が合った。
「大聖? 俺が?」
何だ、違うのね。良かった。危うくまた王子様候補を一から探すとこだったじゃない。
大聖先輩は彼女がいるって聞いてたから、もしこの人が大聖先輩で“彼”だったら、ホントに絶望するとこだったわ。
「つか誰だこのチビ。俺と大聖を間違えるなんて相当バカじゃね?」
チビ!? バカ!?
口に含んでいた飴を噛み砕きそうになると、のんがあたしの肩をポンと叩いた。



