「透ちゃんズルイ!」
「えぇ!? 何が!?」
何っでこんなチンチクリンの子猿に王子様がいて、あたしにはいないの!?
「あたし苺ちゃんに何かした……っ!?」
サーッと顔を青くさせる透ちゃんには王子様がいる。
本当に童話から出てきたんじゃないかってくらい美形の、この学校一モテる王子様と半年以上前から付き合っているなんて。
「苺のことは気にしないでいいよ透。いつもの王子様病だから」
「え? あたしと一緒~。げへっ」
そんな笑い方をする透ちゃんに王子様がいるなんて、あたしのお先真っ暗だわ。
「ところで透ちゃん、奈々先輩が透ちゃんの財布で食券買ってたけど?」
「嘘だと言って奈々ぁぁぁあ!ってしかも全員分んんん!!」
燈磨の言葉に透ちゃんは勢い良く振り向いて、オーバーリアクション。
見ると、黒髪ロングの綺麗な女の先輩が5枚の食券をおばちゃんに渡して、妖艶に微笑んでいた。
「ふふ、ご馳走様」
毛先だけワンカールさせた黒髪をフワリとなびかせる美人な先輩に、ハッとする。
透ちゃんの親友にものすごい美人がいるって、のんに聞いたことがあった。
この人が奈々先輩……!



