「なあに?」
眉を寄せたままの忍に微笑むと、目を逸らされた。
「お前を呼び出した奴ら、反省文書かせて、説教するから」
「いいのに、何もしなくたって」
むしろ反省文なんかじゃ足りないわ。あの人たちが絡んでこなきゃ、気付かなくて済んだのに。
……なんて、知りたかったのも本当なのに、あたしってズルイ。
「今のは、生徒会長としての話」
「……そうね」
じゃあ、忍としての話は何? 想像なんて、簡単にできるけど。
「秘密って、俺のだよな」
怒ってるのか、困ってるのか。複雑な顔をする忍を引っ叩きたい。
膝の上で拳を握って、あたしは笑う。
「そうよ? 忍の、好き人の話」
眉間にシワを刻んで、忍はポケットに両手を突っ込んだ。
「やっぱな……」
消えるような声で呟く忍に、我慢しても涙腺が緩む。
最低よ、忍。あたしなんて、もっと最低。
込み上げる怒りを、抑えきれそうにない。忍に怒るなんて間違ってると分かっているのに、相手が相手なだけに、悔しさが募ってしまう。
「……早かったわね。ふたりが来た時、あたしから離れるの」
「…………」
「そんなに誤解されるのが嫌だった?」
半ば嘲笑するように言っても、忍は黙ったまま。出来ることなら、否定して欲しい。



