「ラーメンがないってどういうことよ!」
食券機の前で「売り切れ」という赤文字が点灯しているのは、求めていたラーメン。
この学校でどれだけの人間がラーメン食べれば醤油も味噌も売り切れになるのよ!
「まぁまぁ落ち着けって苺。ほら、飴ちゃんあげるから」
「もうさー、ラーメンじゃなくていいじゃん。焼きそばでいいよ」
燈磨に棒付きの飴をくわえさせられる横で、のんが勝手に焼きそばの食券を買う。
ガヤガヤと賑わう学食。あたしは飴をくわえながら辺りを見渡した。
「パッとしなぁい」
明るい茶髪の男子はちらほらいるけれど、どれもこれも冴えない。
良くて召使いってとこね!
この中に“彼”はいない。いてほしくない。風を切って爽快とすべっていた彼が……。
「うぇ」
ご飯をこぼしたり、口に食べ物が入ったまま笑ったり、ヨレヨレの制服だったり。あんなにだらしなくなんてないもの。絶対!
「ははっ! 苺がまた俺ら以外の男子に引いてる」
「王子王子って言いながら、案外男嫌いだよなぁ」
「清潔感のない人のどこが王子様なのよ!」
ご免だわ! そんなのが王子様だなんてっ!



