ねえ、忍。


忍が言うようにあたしはアホだから、期待しちゃうのよ。


寂しかったって、会いに来いって言わないくせに、思わせぶりな態度はして欲しくない。


それなのにあたしは喜んでしまうから、離れることが出来ないの。


この涙の意味が、忍には分かる?



“忍かぁ……まあ、頑張れよ”

“苺ちゃんなら大丈夫かな”

“もうやめればいいのに”

“難しいんじゃない? 彼”

“カイチョーには、ダレにもいわないヒミツがあるの”



もうやめたい。
でも止めることなんて出来ない。


溢れるばかりの想いをなかったことにするには、もう遅すぎる。


好きで、好きで、大好きで。どうしようもないのよ、忍。


ねえ、忍もそうなの?

こんな思いを、忍もしてるの?


あたしではない、誰かに。



……シンデレラ。あたしはやっぱり、貴女とは違うみたい。



小森 苺 15歳。


やっと見つけた王子様には、好きな人がいました。


この悲しさと苦しさと、大きすぎる想いが、涙となって現れる。


王子様の秘密なんて、ろくなものじゃない。