「価値がない?アンタ誰に向かって言ってんの?」

「アンタこそ新津くんを誰だと思ってんの?いつも一緒にいるくせにアンタには新津くんの価値もわかんねーの?」

「翼の価値?アンタたちが言ってる噂なんて所詮顔と外面でしょ?噂だけ聞いて翼のことわかった気になってんなよ」

「噂なめんじゃねーよ?ウチらの情報網ナメてかかってっと痛い目見るよ?」

「アンタの噂だってロクなことないじゃん。噂は噂でしかなくて、アンタの噂だって翼のみたいにあることないこと言われてんじゃないの?」

「はぁ?ウチらの噂は本物だし。嘘偽りなくちゃんと伝わってるし」


あたしと翼と柚縷ちゃんは、二人を止めることを諦めた。

なんだろう……見てるだけで案外楽しめ――


「なら、今まで彼女を作らなかった翼が唯一彼女にした人、もちろん知ってるんでしょうね?」


花音――!?