固まりかけた水彩絵の具を筆先にのせて 真っ白なキャンバスに走らせた アオ ミドリ クロ 放射状に痛み刻んで 希望ばかり粉々に砕いて散らせて 薄めた昨日の上に 黄色い明日を重ねた ぷんと匂う絵の具の匂い ふと掌を見やれば 未だ知らない鮮やかな虹色 吐息と一緒に 笑いが漏れた