そして秘密の時間(とき)を共に

その時。

『サァー』と、冷たい夜風が吹いた。



「そろそろ車に戻るか」

「うん」

そう言って私達は車に戻った。



涼はエンジンをつけてから、後ろの席に置いていた舞台のパンレットを入れていた袋を取った。



「美雪」

「何?」

「おまえ、俺ん家の鍵、どうしてる?」



えっ?

私はバッグの中から、鍵を取り出した。