「車両を変えたり、時間も変えてみたけど…
それでも私についてくるみたいで…」

「どんな相手か、見た?」

「怖くて…振り向こうかと思うんだけど出来ないの。
誰だろう、って疑い出したら、みんな痴漢に思えてきて…
手で押し返すけど段々エスカレートしてくるみたいなの」

「警察に相談してみようか?」

「相手が分からないとダメでしょう?
もう学校に来るのが怖いの…」

「麻由の家って電車で3つだったよね?
私、明日 早起きして麻由の駅まで行くよ。
それで一緒に行こう?
私がそいつの顔を見てやるから!」

「そんなの危ないよ。深紅に迷惑かけたくない!」

「そんな事言ってたらいつまで経っても痴漢の思うつぼだよ?
益々エスカレートして麻由に何かあってからじゃ遅いんだよ!」