「アマテラス」

「オモヒカネ…」


 大衆が道を譲るようにして割れた先からオモヒカネがゆっくりと近付いて来る。
 その手には一振りの剣が恭しく乗せられている。


「これは…?」


 老神はその翁面をくしゃくしゃにして微笑む。


「銘を雨叢雲。スサノヲが大蛇ヤマタノオロチから贄の娘とその両親を救った際、手に入れた一振りでございます」



 お納め下さい。と差し出される。


あの子が、救いを……



 剣を受け取ったアマテラスは静かに歓喜の涙を零し微笑んだ。








 そして、世には再び光が溢れたのだった。






























<了>