◆今宵、さくらの木の下で

「えっと…どなた、ですか?」





キョドりながら聞くと、その男の子はあどけない笑顔で笑った。




「僕の名前は雅(ミヤビ)です。今日から百合子さん家にお世話になります。よろしくお願いします」






雅って、名前かっこいい!


なんて言ってる場合じゃなくて…


家にお世話になるって何?



あっお母さんの友だちの子供とか、そういうこと?





「ちがいます」



えっ?

何で私の気持ちわかるの!



「そんなのすぐわかっちゃいますよ。だって顔にでてますから」


くすくす笑いながら、楽しそうに言った。




「じゃぁ、あなた何者なの?」




そう聞くと、雅はコホンと咳払いをしてから言った。