「どけよ、おばさん!」

男の子たちは、あたしにまでくってかからんとする。

ええい、ガキどもめ。

1度ならず2度までも!

あたしは最終手段をとることにした。

バックから警察手帳を取り出し、男の子たちに突き付けた。

「あのねボクたち、お姉さんはお巡りさんなの。女の子をいじめると逮捕するわよ?」

お姉さんという部分に力をこめて、男の子たちにニッコリと笑いかける。

だが男の子たちは警察手帳に対して過剰に反応した。

先ほどまでの剣幕はどこへやら。

顔面は蒼白となり、数歩後ずさりしたかと思うと、くるりと向きを変え、一目散に逃げ出した。

「うーん、ちょっとやりすぎたかな」

男の子たちの逃げる姿を見ながら少し反省していると、4人のうちのひとりが振り返り

「ウソつきの藤森なんかお巡りさんに捕まっちゃえ!」

という捨て台詞を残していった。