お婆さんにもらったかりんとうを食べながら、あたしと達郎は庭を出た。
通りに出て、アパートの玄関側を眺める。
2度目の火災は、この玄関で起きた。
「ほのほーりほ、ひはほひっほれ、ひほけはふふはいんはら」
「かりんとう口に入れたまま喋るんじゃない」
「この通りも、庭と一緒で人気は少ないんだな」
ちゃんと喋れるなら最初からそうしろよ(しかし器用だな)。
「人気ない分、見通しはいいわね」
あたしはあたりをぐるりと見渡した。
アパートの周囲に、通りからの視線を遮るものはない。
もし玄関の新聞紙に火を点けようとしたら、周囲の家からはまる見えだ。
現に向かいの家から、ひとりのご婦人があたしたちを見ていた。
向かいの家は確か、このアパートの大家さんだったはず。
ではこの女性がそうか。
「こんにちは」
あたしは達郎を後ろに従えた形で、女性に声をかけた。
通りに出て、アパートの玄関側を眺める。
2度目の火災は、この玄関で起きた。
「ほのほーりほ、ひはほひっほれ、ひほけはふふはいんはら」
「かりんとう口に入れたまま喋るんじゃない」
「この通りも、庭と一緒で人気は少ないんだな」
ちゃんと喋れるなら最初からそうしろよ(しかし器用だな)。
「人気ない分、見通しはいいわね」
あたしはあたりをぐるりと見渡した。
アパートの周囲に、通りからの視線を遮るものはない。
もし玄関の新聞紙に火を点けようとしたら、周囲の家からはまる見えだ。
現に向かいの家から、ひとりのご婦人があたしたちを見ていた。
向かいの家は確か、このアパートの大家さんだったはず。
ではこの女性がそうか。
「こんにちは」
あたしは達郎を後ろに従えた形で、女性に声をかけた。


