トラウマ。





 小さな頃から差別され続けた俺にとって、母さんはただの“恐怖”だ。




 だから自然と、母さんの賛成した事には逆らえない。












 どうしても。




 フッ






「よろしくね。稚尋兄さん」




 弥生は稚尋に微笑むと、部屋の中へと消えていった。


 これから、あいつと生活すんのか……。












「………はぁ〜……」




 やるせない気持ちでいっぱいだった。







 稚尋は複雑な感情を全て、深いため息に変えた。