* * *




 春。



 新しい制服。




 新しい学校。



「みなさん! ご入学おめでとうございます」





 高校生活の始まり。




 稚尋とは、一緒のクラスになれた。




 なんだか、高校生活楽しくなりそう。




 そう思った。





「ねぇねぇ」




 小声で話しかけられ、誰かがあたしをつっついた。




 それは………隣の人?




「君、朝宮澪ちゃんだろ? けっこう有名だよね」



「え?」




 突然話しかけられ、対処に困ってしまった。





 そんなあたしの困り顔を見て、彼はクスッと笑った。







 そして、小声で囁いた。













「君……桜稚尋の彼女だろ? 有名だよ、美男美女カップルだって」