「やっ……弥生君が大きいだけだって! あたし、普通だし」




 ゆっくりと視線を外し、俯きながらそう言った。





 なんだか今日は、弥生に笑われてばかりだ。



 そう思うとまた、頬が熱くてたまらなかった。
















「でも僕、中学二年生ですよ?」




 この、嫌味そうな言い方は稚尋とそっくりなんだから!







 兄弟そろってどこまであたしを真っ赤にさせるんだ!







「弥生君は男の子でしょ!」




 あ、変な汗かいてきた。



 手汗やばい……






 多分、弥生もわかってるはずなのに、一向にその手をはなそうとはしない。








 澪は観念して、抵抗を止め、静かに弥生の後をついていく事に決めた。