* * *





 僕はいつもいつも両親の期待に押し潰されそうだった。





 “がんばりなさい”



 “あなたにはお勉強しかないんだから”






 僕の側に、愛情なんて言葉は存在していなかった。









 僕には兄さんの方が何倍も羨ましい。






 兄さんは分かってないんだ。





 気にかけてもらえないことがどれだけ幸せな事を。