予定通り三曲歌って
私は、ステージからはけた。

再びソデで、
最後の曲を弾く彼を
見つめる。

あ。

鷹尾君
今ちょっと
気分のってるよね。

クスッと笑みが零れた。

すぐわかるんだよ。
カウントの取り方で。


まさか、この時、
同じ事を透が、
啓太君相手に言ってるなんて、
しらなかったけど。


可愛いやつめ(^^)


ホッとした顔で
立ち上がった彼をみて
本気で気持ちが和んだ。

いつも
このくらい、素直だと
かわいいのに。

彼は、いつも
色んな表情を見せる。

恋人でもないのに
物凄く距離が近かったり

かと思えば
いっちゃえば
楽になるような何かを
飲み込んだり。

結構、見た目と違って
繊細だし、控え目なんだよね。

鷹尾君てば。


「真月。」

「はい?お疲れ様です。」

「サンキュ。まずまず
いい出来だったと思う。」

笑んだ彼から譜面を
受け取って
一緒に楽屋へ片付けに行く。

扉がパタンと閉まって
彼は即効で、
ギターの弦をゆるめた。