「先生っ!ちーっす!!」

啓太と七海が
ニヤニヤ笑いながら
入ってくる。

多分、今週は、
ずっとこんな調子で、
生徒におちょくられるん
だろう。

昨日、真月に、そう言ったら

『今だけじゃないでしょ?
ずっと
良いおもちゃだったんでしょ。
気付いてないの?』

って
爆笑された。

・・・おまえだけだよ。
俺を掌で転がすヤツは。


「あれ?新妻は?」


啓太が、早速からかってくる。

「今朝から出張。」

ってか、新妻って
どっからそんな単語
拾ってくんだよ。

今時の高校生はっ!?

「ねぇねぇ、先生。
いつから『渡辺』に、なるの?」

七海が
瞳をキラキラさせて言う。


「はっ?」


想定外の質問が来た・・・

一応、教室には
入籍するという風に
下話をしてある。


あんなバカ話は
どんな形になって
噂になるかしれないので、
そういう事にしておこうと
主要人物で打ち合わせて、
先手をうってある。

お陰で、ボロを出さずに
すんでいる。

「七海・・・
なんで、俺が婿にいくと
決め付ける?」