ようやくひとごこちついた凪が、周囲を見回す。




 塀は壊れ、庭に植えてあった木々は無残に折れ、屋敷は半壊していた。




「ひどい有様になっちゃったね」




 甚兵衛が凪の言葉に頷く。




「ええ。

ですが、人さえ無事ならまた元のように綺麗な状態に戻せるでしょう」




 甚兵衛はそう言いながら、御神刀を鞘に納めた。




 そんな甚兵衛に、いきなり声が掛かる。




「甚兵衛さん!

どうやら無事に終わったみたいですね〜」