これなら暫くは様子見が出来るかな、などと断十郎がムシのよい怠け心を出した時だった。




 凪が血相を変えて駆け込んできた。




 凪はずっと、外の様子を窺っていた。




 甚兵衛も断十郎も、凪を強盗団と戦わせるつもりは、毛頭なかった。




 それで、凪には外の見張りを頼んでいたのだ。




「旦那!

マズイよ!

外に妖達が集まり始めてる!

もう、囲まれちゃいそうだよ!」




 チッと今度は断十郎が舌打ちする。




 対して、凪の大声が聞こえた京允は、ニヤリと笑った。