もう関係のない世界の話なのだ。

 だからあまり関わる必要もない。これ以上知ると未練が残ってしまうからだ。

「それなら今日つきあってよ」

「つきあうって、あの」

「別に無理にとは言わないけど」

 さっきまで落ち込んでいたのにげんきんなものだと思う。

「いいですよ」

 あたしは声が上ずるのを抑えながらそう答えていた。