さよなら、もう一人のわたし (修正前)

 それであたしを起こせなくなったと聞いた。

「映画の脚本を思い出してそう言っているかもしれない」

 そう木下さんは言っていたらしい。

 それでも父は笑顔を浮かべていた。

「それでも、偶然でもいい」と。

 言葉に飢えていたのはあたしだけではなかった。

 それが分かったのだ。