さよなら、もう一人のわたし (修正前)

 あたしは五時過ぎに目を覚ます。

 窓からは傾いた太陽の光が窓辺に差し込んでいた。

 六時から撮影をすると言っていた。

 今からなら十分に間に合うだろう。

 あたしがそう考えて、撮影現場に戻ろうとした。

 あたしが旅館から出たとき、人の話し声が聞こえる。

 あたしはスタッフの誰かかもしれないと思いつつ、声のした方向に歩いていく。

 あたしが近寄るに連れて、声のボリュームが大きくなっていく。

 あたしはその声が二人分の声であることに気づいた。

「でも何であんな子なの? 演技も並じゃない? 顔だってあたしのほうがかわいいし」

 その声はあたしの同級生役をやってくれる沢井ひろみだった。

「あんた狙ってたものね。あの役」

 煙草を吸いながら、肩をすくめていた。