撮影が始まった。

 最初は恐怖におののいていたが、思っていたよりもスムーズにことが運ぶ。

 杉田さんは一週間のうちの半分はこちらで過ごしていた。

 たまに母親の様子を確認していてくれたようで、彼女の様子を逐一あたしに教えてくれていた。