雲ひとつない空だった。



 あたしと千春は学校の中庭でご飯を食べることにしたのだ。

 ベンチに座った千春は欠伸をかみ殺す。

「大丈夫?」

「平気、平気」

 最近の彼女はどこか疲れているように見える。

 準備などで大変なのだろう。

 あたしに何かできればいいのだが、千春は気にしないようにとだけ言ってくれた。

 千春は何かを思い出したように口を開いた。

「京香、今日時間ある?」

「大丈夫だよ」

 あたしはお弁当をあけると、お箸を取り出した。

「相手役の人に会いたくない?」

 その言葉にあたしの動きが止まる。