何十分かたって私はようやく泣き止んだ。 「・・・ヒック・・・・グスッ・・」 久しぶりに人の前で泣いた。 いや、物心がついたときから私はすでに泣かなくなっていた。 泣くことだけではなく笑うこと怒ることもしていなかった。 それなのに、望月の前では素直に泣くことができた。 きっと私は・・・望月が・・・・好きなんだ。 「大丈夫か・・・?」 望月は私に遠慮がちに聞いてきた。 自覚するとなんだか恥ずかしい。 私は、無言のまま頷いた。