「お前聞いてた?帰れ、ていったんだけど」 「聞いてたよ。でもインフルエンザになって忍にお見舞い来てもらうのも悪くないし」 「行かねーよ」 そんなこと言っても、絶対くるって知ってるよ。 忍は優しいから。 それに忍はお母さんと話すときの焦った顔は面白いし。 たまには見たくなるんだよね。 「はい。暇だったらよんで。貸してあげる」 私は持っていた小説を渡した。 見る見る顔が歪んでいく。 「推理小説……」 「そう。私の愛読書」 「こんなの楽しいとか言う奴の気がしれねえ」