はぁ、と何度ため息をついただろう。


真っ暗な部屋のベッドの中でフィリシアはアヤトとのやり取りを何度も思い出していた。


何度も寝返りをうって寝ようとするが、なかなか眠れない。


慣れない環境で疲れているはずなのにどうしても寝付けなかった。


老婆からは、月族は他の種族とも深い交流を持ち、お互いを助け合っていたと聞いている。


共に戦い、共に生きてきたと。

月族は闇に飲まれる直前まで、他の一族と共に闇族と戦っていたと聞いた。


アヤトが言っているのはもしかしてあの時のことなのだろうか………。


フィリシアはどうしてもアヤトの月族に対する意識を変えたいと思った。


今すぐ、アヤトの部屋へ行き叩き起こして月族はそんな種族ではない!!と伝えたいくらいだった。