「フィリシア?どうしたの?」

ダリアが心配そうにに覗き込むが、フィリシアの瞳はどこか遠くを見つめているようだった。

―――――――誰?


頭の中で、誰かの声が響く。


「フィリシア、フィリシア!」

―――――――みんなの声、こんなに遠く感じる…。


誰か…呼んでる。


「フィリシアってば!」


――――――呼んでる。


「…呼んでる。」


フィリシアが呟いた。


「…え?」










【やっと…さぁ、こちらへ…フィリシア。】










――――――誰かが、悲しく笑ったような気がした。