まず、先に出てきたのは対戦校だった。


対戦校側の頑張れー!とか名前での応援が飛ぶ中、後から出てきた、うちのレギュラーメンバー。


白のユニフォーム姿でお互いの応援が入り交じる中、次々とアップの為にピッチの中へ入っていく。



「きゃーー!来た来た!霧島君16番っ!」



私の腕を掴みながら、ピョンピョン跳ねて喜ぶ朱里。



工藤君はまだかなぁ…



ジッと入口の方に目を凝らしていると


あっ!


その瞬間、ドキドキと心臓が早くなった。



横顔からでも真剣な表情なのが解る…。



「……11番…」



工藤君のユニフォームの背中にはその番号が付いていた。