顔が近いから。


だって、唇までの距離3cmしかない。


少しでも動いたら、キスしちゃうじゃん!!!!!


ガチャ…。


タイミングよく七瀬が帰ってきた。


パッと城金兄の腕の中から開放された。


「どこに行ってたんだよ?」


何もなかったように、城金兄が七瀬に聞いた。


「あ…ちょっと。」


チラリとあたしを見た。


ヤバイ?!


顔が赤くなってるとか?


♪♪#♪♪~


あたしのスーツのポケットから着信音が聞こえる。


バックの中にないはずだ…。


携帯を取り出すと、黒崎からだった。


「どうしたの?」


玄関に向かいながら電話に出た。


「帰っちゃったか?」


「うん。ちょっと出先きだけど。」


「ごめん。オレの連絡ミスだ。」