ピンポーン

ピンポーン


インターホンの応答なし。


まさか、もう写真見せちゃっているとか?


ああ~!!こんな時に限って、携帯見つからないし。


必死にバックの中を探したけど、携帯が見つからない。


確かに、さっきまでバックの中に入ってたのに…。


ドアの前で、ガサガサとバックの中を漁ってた。


「あれ?宮元さん?」


そのとろけるような声は。


ハッと振り向くと、素敵な微笑の城金兄が歩いてきた。


「どうも。」


ペコリとお辞儀した。


「どうしたの?七瀬いなかった?」


「えっ…は…はい。」


動揺してるのバレバレかな?


「おかしいな?さっき電話した時にはいたんだけど。…じゃあ、入って待っててよ。」


そう言って、城金兄が鍵を開けてくれた。


この様子だと、まだ写真の件は知らないみたい。


これからバラすつもりだったんだ。


城金兄の後ろをついていくかのように、部屋の中に入った。


「適当に座って待っててよ。」


「はい。」


ソファに座ると、どうしたらいいものか?


分かんなくなっちゃって。


だって、城金兄と2人っきりの空間なんて。


何を話していいやら?


世界遺産並みに貴重すぎる。


ある意味、七瀬がいなかったことに感謝。


「宮元さん、コーヒーで大丈夫?」


カウンター越しに、城金兄が顔を出した。