「念のため、少し時間くださいね。」


「ありがとう。」


「いえ、ネットならお任せください。」


って、弟…。


あなたの友達じゃないの?


お礼も言わないで兄の後ろでボ~ッと立ってるだけですか?


なんて失礼なヤツ。


「じゃあ、オレは明日から黒崎さんとアメリカなんで。分かったら弟に連絡して下さい。」


えっ!?


城金兄じゃなく??


こんなヤツと連絡取らなきゃいけないの!?


城金兄の頼みだから断れないし…。


「…分かりました。」


渋々了承するしかない。


「仕事忙しい所に頼みごとしちゃって、その上、新婚なのに1ヶ月も旦那さんお借りしちゃいますね。」


申し訳なさそうに小さくお辞儀した。


「あぁ~…別に仕事ですし。」


普段から黒崎のいない生活だから。


気を使わなくても気にならないけど…。


「じゃあ、また日本に帰ってきたら。」


ペコリと一礼して、黒崎の後を歩き始めた。


兄に続いて、弟も黒崎の後を歩き始めた。


「はい。」


そう言いながら一礼して。


3人を見送ろうと、あたしが頭を上げたと同時だった。