もしかして、城金兄に相当劣等感持ってる?


あれだけパーフェクトなお兄さんだったら、逆に自慢になるんじゃないの?


「誰も城金兄の代役なんて言ってないじゃん。ただ、モデルの1人だったって話しただけでしょ?」


「だから、それがアニキの代役って事だろ?オレにアニキの代わりを演じて欲しいんだろ?」


振り返った表情は、完全に怒ってる。


「バカみたい。代役と思ってるのは七瀬だけでしょ?劣等感で固めちゃって、周りも見ずに勝手に自分で決め付けてるだけじゃん。」


自分で言いながら。


あっ…って気づいちゃった。


もしかして。


あたしと七瀬って。


同じだったの?


「お前に何が分かるんだよ?!」


「あたしだって分かるよ…。」


うつむきながら、小さく答えた。


「何が分かるって言うんだよ?」


「だって…イトコってだけで、小さい頃からマキと比べられてたし。マキはかばってくれてたけど、ずっとイヤだった。どんなに頑張っても、マキみたいに華やかにはなれないから。」


あたしには、いつもマキがついてまわって。


なにかって言うとすぐに


マキがね…


マキちゃんはね…


…そっか、七瀬も同じ気持ちだったんだ。


「ごめんなさい。」


頭を深く下げて謝った。


気持ち分かるはずだったのに、知らないうちに傷つけてた。


「あ…いや…。」


あたしが謝った事に少し驚いてる。