「自分の家の電子レンジくらい使えるでしょ?」


「奴隷だろ?ここにいるんだから、お前がやれよ。」


眉間のシワは相変わらずクッキリと刻まれたまま。


「はいはい。そうですね。」


イヤミたっぷりに返事してやった。


ってか、お昼ごはん捨てておけって言ったじゃん。


なんで、夜中に食べようと思うかな?


気分屋め!!


どうせ、食べ終わったら洗い物していけって言うんだろうし。


今夜こそ寝たかった。


ふと、冷蔵庫の横のゴミ箱に目が行った。


あれ?


これってソースだよね?


しかも、半分も入ってるし。


チラッと七瀬を見ると、テーブルに座って台本見てるし。


サッとゴミ箱の中のソースの賞味期限を確認。


やっぱり、全然期限なんか切れてないじゃん。


なんでこんな事したんだろ?


あたしを呼び出すためにしちゃ、ずいぶん手が込んでるし。


「おいっ、なにやってんだよ?」


「なんでもない。」


慌ててソースをゴミ箱に戻すと、電子レンジから温め終わったトンカツを七瀬に持っていった。