「分かったわよ。」 もう、投げやりだ。 「安心しろ。ほかのヤツには見せないから。」 グッと顔が近づいてきた。 「当たり前でしょ?!」 顔が見たくなくて、視線を足元にそらした。 「使われたら価値がなくなるから。」 いきなり抱き寄せると、小さくつぶやいた。 もう、払いのけて抵抗すらできない。 逆らったら写真をどうされるか分かんないし。 憔悴(しょうすい)しきって顔を反らすしかなかった。