「そんな事されても、仕方ないんじゃないですか?」


1人の女の子が言った。


「黒崎さんと結婚しながら、七瀬のお兄さんにまで手を出すから。」


もう1人の女の子が、クスクス笑いながら言った。


「この業界、噂は早いですから…。」


勝ち誇ったかのように、次々に女の子達が話していく。


やっぱり…この子達だったんだ。


黒崎に取り入れないからって。


もしかして、城金兄にフラれたのかもしれない。


あたしが羨ましくて、ここぞとばかりに嫌がらせしたってワケね。


「お前のせいで悪くもないオレがアニキに怒られて、ご丁寧に贈ってくれた猫まで埋めてやったよ。まぁ、猫の件で文句言ってやろうと思ってネット部に行ったら、それ以上に面白い光景見れたから楽しかったよ。」


フッと鼻で笑った。


「その事は…アンタじゃなかったみたいで…ごめんなさい。それは謝る。だから写真消して。」


ペコリと頭を下げた。


こんなヤツに頭なんか下げたくないけど。


間違ったのはあたしだし。


「イヤだね。」


その一言と同時に、グイッと腕をつかまれて部屋から連れ出された。


「ちょっ…ちょっと!?」


慌てて手を振り払った勢いで、ドンッと壁にぶつかった。


グッと近づいてくる七瀬の顔。


逃げられない…。


今度は何されるわけ!?


ギュッと目をつぶった。