あたしの軽率な行動で、週刊誌に掲載されそうになったの怒ってるのかな?


緊張しながら城金兄の後ろを歩いていた。


ピタリと城金兄の足が止まった。


そこは、廊下の突き当たり。


右側には少し奥まって、仮眠室がある。


仮眠室の扉の前のポッコリと少し開いたスペース。


確かにここなら、誰かに話を聞かれなくていいかも…。


「あの、ごめんなさい。」


あたしが謝ると同時だった。


「ごめん。」


城金兄が頭を下げた。


「えっ?何がですか?」


あたしが謝られる覚えはないんだけど…。


「弟の事、黒崎さんから聞いたよ。」


「弟の事って?」


思い当たるふしがない。


しかも黒崎からでしょ!?


「猫の死体とか送りつけたんだって?」


なんで城金兄が知ってるの?


…マキだ!!


マキが黒崎に言ったんだ。


あれほど喋るなって言ったのに。


どうして喋っちゃうかな!?


大体、悪いのは七瀬であって、城金兄に文句言っても仕方ないし。


「はぁ…まぁ…。」


そう答えるしかなかった。


「そんな事、するようなヤツじゃないんだけど…。オレからよく言っておくから。」


「もう、何もされてないんで気にしなくて大丈夫ですよ。」


ニッコリと笑った。


「本当にごめん。」


深々と頭を下げられると、どうしたらいいものか。


戸惑っちゃうじゃん。