「みんなで社長の所に行ってきたんだ。そしたらね、すんなり認めてくれたよ?」


マキが満面の笑顔で、大きくVサインを掲げた。


「えっ?社長の所に行ってたの?いつの間に…。」


あたし聞いてないし。


「もめると思ってみんなで行ったんだけど、まぁ、人数が人数だったし。メンツもね。だから、社長も何か感じたんじゃない?伊吹の社長賞で交際は認めるけど、現状維持でだってさ。」


「ちょっと待って!?藤原さん。勝手に使わないでよ。」


せっかく、旅行に行こうと思ってたのに。


「いいじゃん?現状維持で付き合えるんだったら。」


城金兄め。


…確かにそうだけど。


旅行も捨てがたかったのに。


「ほら、立ってないで座ったら?」


莉南さんが手招きしてる。


人が多すぎて、どこに座っていいやら?


「伊吹はここ。」


七瀬が両ひざを叩いた。


「絶対にイヤ!!」


誰がひざの上に座るか!!!


「いいなぁ~、マキも抱っこ。」


場所を考えて甘えてよ。