「スキャンダルなんてないですから。だいたい、有給溜まってたし、これから武道館じゃなくて買い物に行くんです。」


適当に言っておけばいいか。


「そうですか。近所の住人も、仲のいい夫婦だって話してましたしね。」


近所の住人にまで聞き込みしてたんだ。


まぁ、そのためにも、夜しか黒崎は行動してないし。


隣同士の親戚だから、誤解されることもないから。


こっちは、そこまで計算づくです。


「ええま。じゃあ、失礼します。」


そのままスタスタと歩き出した。


なんとか亀本は騙せたみたい。


少し安心したけど、念のために買い物はいっておくかな。


駅に着くと、武道館とは逆の方向のホームに立った。


♪♪~♪♪♪


佐井からだ。


どうしたんだろう?


「もしもし?」


「お休みの所、すいません。大変なんです!!」


「なに?!どうしたの?落ち着いてよ。」


「はい。実は、今日の夕方のニシニチの亀本の記事が…。」


亀本なら、さっき会ったけど。


そんな大変て騒ぐような記事の話はしてなかったけど。